2016年10月31日

障害福祉制度の改革も財務省主導?

 平成30年度の社会保障制度の各各の改正にむけて、国の社会保障制度の改革の指針が昨年出されていて、それに従っていろいろな国の審議会や検討会などがたちあがっているようです。

 関係諸氏は一定の危機感?も持ちながらもどちらかといえば、3年ごとの「いつもごと」のような感じを思われている感じもなきにしもあらずではないでしょうか。(運動団体は別でしょうが)

 しかし、この平成30年改革はかなり大きな改革になり、また、それぞれの制度の改革というよりも国の社会保障に対する仕組みの本気度というか、そこへのアクションの仕方が、いままでは違うのではないか、感じる。

 医療制度については、この間、facebookの方で発信させていただいているが、かなりつっんだ議論がされているのを紹介している。

 その議論をみていても、今回の平成30年度の改革についてはこれまで以上に財務省主導の改革方針がみてとれる気がする。あくまでもこれまで以上に、であるが。
 大西蓮さんが生活保護の母子加算の見直しの議論への危機感をかいておられるが、
 https://www.facebook.com/ohnishiren?fref=nf

 この財務省の資料の中で、障害者福祉についてもかなりつっこんで書かれているので、以下、紹介する。
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia281027.html

ー抜粋ー
障害者支援予算の他の社会保障関係費と比較した特徴
○ 障害者向け予算は、サービスを受ける障害者の数の増加等を反映し、この10年間で2倍近くに増加。その伸び率は、社会保障関係費全体の伸び率の約2倍。
○ 障害者向け予算は、他の社会保障関係費と異なり、高齢化のみではサービス量の増加を説明できない。このため、厚生労働省においては、その要因分析や実態把握が必要だが、その取組は十分とは言えない。
○ 利用者負担が非常に少ないことも特徴であり、コストインセンティブが低く、供給サイドによるサービス増加が起こりやすい。このため、支給決定を担う市町村等は、サービス供給の必要性や内容についてしっかりと精査する責任・役割を担うと考えられる。

分析視点例@:サービス供給量の状況
○ 利用者負担が非常に少ないため、サービスの供給量が多くなりやすい構造。
○ このため、利用者のニーズについて随時把握する必要があるが、厚労省における実態把握は十分とは言えない。
打ち上げ花火 包括的な調査(「生活のしづらさ調査」)の実施は低頻度(5年に1回)。
打ち上げ花火 各利用者のサービスの利用状況(類似するサービスを重複して受けていないか等)も、随時把握するシステムでない。
○ 平成23年の調査では、@「福祉サービスを利用したいが利用できない」手帳保持者の割合は2.1%に留まり、A「利用している者」に対する「利用したい者」の割合も37%に留まる。一方、利用者数は24年度以降も大幅に伸び続けている。
○ 平成27年4月より支援の全例について必要となった「サービス等利用計画案」の作成を担う「計画相談事業者」について、サービスの供給を担う事業者からの「中立性」の確保を推進していくことが課題。

分析視点例A:サービス供給量増加の制度的要因
○ 障害サービスの供給主体である事業者は経営体でもあり、利用者数の増加により収益の向上を求めるのは合理的行動。
○ 事業者にとっては、@支援区分が不要であり、A利用期限がなく、B収支差率が高いサービスほど、安定的な利用者を増
加・確保しやすく、収益も向上させやすいと考えられる(注:要支援の程度が低いほど潜在的な対象者が多いと言える)。
打ち上げ花火 「支援区分不要」のサービスの伸びは、平均的なサービスの伸びを大きく上回る。
打ち上げ花火 「サービスの平均的な支援区分の低さ」(支援区分不要や潜在的な対象者数等を反映)と給付額の増加率は相関。
打ち上げ花火 「収支差率」の高さと給付額の増加率も緩やかに相関。
○ なお、障害者施設は、介護や保育施設に比べ、労働分配率が低く、利益率が高い(良い経営状況)とのデータもある。

分析視点例B:事業者へのインセンティブ付けの在り方
○ 利用者負担がないことは、サービスの質の確保にも供給サイドへの考慮が必要であることを含意。報酬設定における適切
なインセンティブ付けがなければ、質の低いサービス供給につながり得る。
○ 例えば、増加する就労支援の報酬体系においては「利用者が増加するほど、事業者の利益となる」一方、「一般就労への
移行や賃金向上へのインセンティブ付けが十分でない」。また、報酬水準が高く、支援区分も不要。
○ こうした状況の下、実際に事業者による不正受給の事案が問題化。放課後等デイサービスにも同様の問題を抱える。

-抜粋終わりー
詳しいことは資料をみてくださったらいいが、この資料で指摘されている点は、30年の改正について一定反映されることが予想される。
相談支援についてもここで、「中立性」がでてきているし、このままでいけば、訓練等給付を廃止もしくは、訓練等給付にも障害支援区分の導入。就労継続支援の有期限化なども考え得ることにもなるかもしれない。
市町村の権限強化ということをどうするのか、現状の市町村の状況を見ると制度変更無しに市町村の権限強化はできないから、区分にあわせての給付制限の仕組みなどを考えていくこともでてくるかもしれない。
なんにせよ、今後社会保障審議会障害者部会などでの具体的な議論になっていくだろうが、目が離せない議論になっていくだろう。




posted by 凸凸 at 08:00| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月30日

地域での貧困の世代間連鎖をたちきるための新しい動きをはじめることにしました

 2000年ごろから私となんらかのつながりをもっていただき、当時の講演をおききいただいている方たちはご存じだと思いますが、私が活動している大阪府寝屋川市。

 大阪市の衛生都市として、高度経済成長期に発展をし都市化が進んだ地域ですが、同時にいち早く貧困化が進んだ地域でもあります。それこそ旧然の都市化理論そのままで、ドーナツ化の周辺部分がスラム化したといってもいいでしょう。「地方から流入した安価な労働力がそのまま経済力を高められず定住した地域」という地域特性を市域の中に多く持ちます。
 私の感覚ですが、2000年頃にはもう、貧困の第1代世代間連鎖(保護家庭のこどもが保護になっていく)ということがはじまり、生活保護から抜け出せない家庭がみられるようになりました。そして、その後、その状況は拡大しいまや第2代世代間連鎖がはじまっていき、深度がふかまっていっている気がします。

 以前から大阪の寝屋川市と他地域でお話をすると、「きいたことあります」「あー、最近、虐待でこどもがなくなった事件があったところですよね。。。」
 虐待の多い地域です(虐待は発見のアンテナ課題もありますから、それだけ地域で虐待に対してのアンテナが高いということでもありますが)。

 いつも言っていますように、寝屋川市はそれほど福祉が進んだ地域ではありません(よく勘違いをされます)。確かに、障害児の早期療育システムは行政を中心に構築されていますし、精神障害者の地域医療では、このあと紹介する三家クリニックを中心に行われています。また、社会福祉協議会の福祉委員制度などは先駆的に行われてきています。しかし、全体的なレベルとしては中くらいだと評価しています。

 今年の1月の「ふわりんクルージョン」に登壇させていただいたときにもお話をしましたが、底辺に流れているこの貧困の世代間連鎖をなんとかしないといけないという問題意識がここ2,3年、とくに高まっています。「多問題家族」なんて、ことばでは対応しきれない。複合的多問題家族???変なコトバですが、ともすれば、一家全員がなんらかの障害や病気があるとかはあたりまえ。ジェノグラムに書ききれない登場人物のケース(わかりますか?ステップステップステップファミリーとか)、などがふつーに登場してきます。明日家がないとか、も結構頻繁に出会うケースだったりします。もちろん、そういう対処をしていかないといけませんが、モグラたたきでは、地域課題の解決にはつながらないぞ。と。

 今年度、いろいろな形でのアクションを起こしていこうと準備をしてきました。いまからいくつかのプロジェクトを順次立ち上げていくことにしました。まず、その第一弾でかつ中核的なプロジェクト「NEFNEプロジェクト」です。このプロジェクトは、このような問題意識を共有した三家クリニックとの共同プロジェクトで、寝屋川市の駅前にその拠点施設を立ち上げようというもので、その4階を寝屋川市民たすけあいの会も貸していただこうという形です。その4階を子ども若者支援の拠点にしていくことを想定しています。その拠点全体としては、1階のショップ&ギャラリー、2,3階のカウンセリングルーム、そして3,4階のこども支援という構想です。10月27日から三家クリニックの関さんが改装費のクラウドファンディングをはじめられました。このあと、第2弾、第3弾のご報告になっていきますが、まず、第1弾。ぜひ、ご覧いただき、拡散をよろしくお願いいたします。↓
 https://readyfor.jp/projects/10096




  
posted by 凸凸 at 08:33| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする