2009年08月09日

早期支援・早期介入=日本外来精神医学学会にいって

 昨日、寝屋川市内にある三家クリニックの三家先生からお誘い?を受けて、大阪でひらかれている日本外来精神医療学会の分科会にいってきた。参加した分科会のテーマが、「なぜ、いま、早期支援・早期介入なのか?〜はじまった各地での取り組みから〜」。そのメインシンポジストである西田淳志氏(東京都精神医学研究所 研究員)のお話をぜひきいておきなさいということだった。

 話の発端は実は二つある。

 一つは、先月、寝屋川市域の精神障害者自立支援促進会議の会議上で議論になったアウトリーチの方法論についてである。
 いくらトミタでも、現場の人として参加している会議では、あまり理屈っぽい主張をしないようにしているのだが、このときは「やってしまった」のである。
 会議の主題の一つに、市内の社会福祉法人みつわ会も参加して去年行われた厚労省の研究事業 訪問型生活訓練事業の発表があった。その報告書の中に、ケアマネジメントの有効性の主張というものがされていた。訪問者+ケアマネジメンジャー(ト を行う人)の方が優位性があったという下りである。この事業の報告は何回もきいているが、実はこの件はあまりふれられておらず、また昨年、その事業の仕掛け側として大阪府のこころの健康センターにおられた方もいておられたので、実際の訪問時,実践時のこととして、訪問者/ケアマネジャー の区分けの議論と、アウトリーチを行う際の役割、そして、ケアマネジメントという方法論の乱用について、議論をしたのであった。PSWのみんなが使うケアマネジメントという方法論に対しての違和感を発意したが、特にアウトリーチをどんどんやっている三家クリニックのPSWからはその議論に対しての違和感がでた。では、三家クリニックのPSWはどのようなつもり(目標・目的)でアウトリーチをしているのだろうか、という疑問がそのときにわいたのであった。

 もう一つは、ひきこもりの支援についてである。府からのモデル事業を受けたのはもうはるか昔。それでも細々とは続いているひきこもりの支援。大きく取り組みたいという思いは個人的にはあるが、いまの組織事情ではとてもそんなことはできず、つぶさないので精一杯である。しかし、ネットワークだけはと思い、必死になってつぶさないように、続けている。そのしかけ。
 そんな中、今年度から三家クリニックにもかかわってもらえるようになって、という話から、今回のふりかけが三家先生からあったわけである。
 その本心と意図はなんなのかは三家先生に確認しているわけではないのでわからないですが、この西田先生という若い先生のお話、なかなか興味深い視点でした。実は金曜日にこのふりかけがあって、日程調整して、その分科会だけ、とりあえず行けるようにした中で、調べてみると、昨年度の「今後の精神保健医療福祉のあり方などに関する検討会」でも「今後の精神保健医療福祉における精神保健普及啓発および早期介入の意義」というプレゼンをされている方で、その資料と発表は重複する部分も多く、その資料をよくわかるためにも貴重な発表でした。

 ミクロもしくはメゾレベルで意図されることは2点。
 一つは早期支援、早期介入の効果性の高さは,逆の意味で初期段階での治療中断の多さを意味し、その時点での積極的な治療関与のための訪問・アウトリーチの必要性。そして、イギリスの例などをひいての多職種によるチーム構築の必要性。ようするに、発病し始めた人はなかなか治療にいかないし、いっても、すぐに中断してしまう。それがその後の治療経過にとても悪いということ。
 もう一つは、そういった発病にいたる前、ローティーンのころに、その兆しをもっている児童はとても多く、そういったときから、本人、家族、関係者に対しての啓発活動を行う必要性。いまや若者の長期治療疾病としては圧倒的に精神疾患がしめる割合が多く、社会問題化している(諸外国)。日本でもそうなってきているのにほったらかし。そこでの啓発活動がとっても必要だ、と。

 とってもよくわかった。が、具体的にどうすんべ?
 気になったのは、発表の中の諸外国の例が英国圏に偏っていた(北欧もあったが)ことと、地域事情により、精神疾患の発病率がかわる感じをもっているのでそれらの事例の中の例について、うーんと思ったこと。あとは、早期介入・早期支援によってかわるのは、病気そのものではなく、DIPT(Delay of intensive Psychosocial)「インテンシブな心理社会的支援の開始」による社会生活上の営みだということ。つまり、就学や就職。でも日本の精神医療は、「治ってから」ってみんないう。学校も職場もしっかり治しなさいっていう。ここから考え方を変えないとなかなかうまくいかない気がする。
 もう一つは、英国の例だったからか、ケースマネジメントという方法論がでてきたこと。「ケアコーディネーターによるケースマネジメント」と「訪問によるケア・エンゲイジメント engagement」。ロンドンの実践例の発表だったんで詳しい説明がなかったけれど、ここってポイントやないの?と。機会があれば、ここらあたりもう少し知りたいとおもった。

 ここ数回に何回か触れている日本のケアマネジメントに対する不満。未整理に対する不満。特に、アウトリーチでやるときに、当然でてくる課題に対応するのに、日本ではあまりにノウハウの蓄積がない。

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posted by 凸凸 at 15:30| 大阪 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
プログラムには外来における強制医療などというのもあったようですが、私の精神保健福祉法理解では、そもそも強制入院中であろうと強制医療は違法であるはずと考えていますが、ましてや外来での強制医療とは、人権侵害拷問等禁止条約違反というべきでしょう。
地域での強制医療法はオーストラリアに始まり各国に広がっていますが、オーストラリアでは死亡率が対象者に多いという論文あるそうです。

なお早期介入というならその前に早期の受け入れ、中井久夫が述べている沖縄離島の50床を20床余りあけて運営していた例に学ぶべきではと考えます。

病床削減他のためにも休耕田保障策、として空床保証金を出すべきかもしれませんね

Posted by 長野英子 at 2009年08月14日 19:14
>長野様
コメントありがとうございます。恐縮いたしました。
なるほど、と読ませていただきました。今回は、そのプログラムにしか参加していませんので、学会の概要や全体の方向性については、あまりよくわかっていません。勉強します。ありがとうございます。。
Posted by とみた at 2009年08月15日 07:47
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