2009年08月14日

個別支援計画について

 今年度も、大阪府から依頼があり、相談支援従事者養成研修の初級コースで、お話をさせていただくことになった。テーマは、「個別支援計画の作成とその重要性について」である。昨年度と内容もレジュメもかわらない。冨田昌吾のホームページの方にレジュメをアップしておいた。時間的には、短い時間なので、レジュメのボリュームの方がはるかに多い。もともとのオーダーは、ことばの混乱、未整理と制度的な不整合から来る考え方の混乱が個別支援計画には起こっているのでそれを整理してほしいというオーダーであった。

レジュメより
【ことばの整理】
 支援費制度でも施設の支援計画の策定は義務づけられていた。障害者自立支援法では、特にサービス提供の責任体制をはっきりさせ、サービスの質の向上をめざすため、事業者ごとにサービス管理責任者を配置し、個々の利用者についてアセスメントや個別支援計画の作成、定期的なモニタリングなどの一連のサービス提供プロセス全体を管理することになっている。
→つまり、個別支援計画には二つの意味の計画が存在するということ。

◆残念ながら、障害者自立支援法では個別総合支援計画の位置づけが薄くわかりにくい。

@それぞれのサービスについて、個別支援計画=個別サービス計画(ISP: Individual Service Plan )が組み立てられている。それは、個別の利用者の生活全体のプランではなく、生活介護なら生活介護というサービスの支援計画。居宅サービスの場合も居宅サービス計画というサービスごとの計画のことである。サービスを提供する上での、ニーズ、目標(Goal)、その方法などを示したもの。どちらかといえば、サービスの質(quality)を管理する目的に使われることが多い。

A指定相談支援事業所が策定するのはサービス利用計画、委託相談支援事業所が策定するケアプランという個別支援計画=個別総合支援計画・本来的な意味では本人中心の支援計画(PC-IPP:Persons  Center-Individual Program Plan)。相談支援の部分で強調されるのは、障害者ケアマネジメントを明確に位置づけたと言われるこの部分。障害者ケアマネジメントで強調されているご本人の「したいこと」を中心にした地域生活(支援)の総合的な計画
 
◆本来的な意味では、個別総合支援計画は地域生活支援にしか必要ない。
  24時間管理の入所施設や病院では、@=Aになるから
地域生活と入所施設での生活の違いは、24時間体制の管理システムの中にいるかどうか。
※障害者自立支援法の中のケアホームの位置づけは、施設なのか、居宅のサービスなのかの位置づけが大変あいまいであり、全体の仕組みを理解することをむずかしくしている。
※障害者自立支援法での昼間と夜間のサービスを(形式上)分けているので、わかりにくい。

という辺りが、主たるオーダーである。実は介護保険の方でもグループホームが居宅サービスに位置付いていることへの制度的矛盾の指摘なんかがなされている「グループホームは在宅であるという誤解」
グループホームのなんたるかを考え、実践されている方にはもうしわけないが、制度上のグループホームは悲惨と混乱さをまねく存在でしかなくなっている。

 もう一つ、最近のエントリーにも関連するが、介護保険のケアマネジメントとの制度的な差異

【介護保険のケアマネとの制度上の差異】
@介護保険の給付サービスを受ける方には、原則すべての人に居宅介護支援(ケアマネ)が適用される。
◆制度的には一応「セルフケアプラン(セルフマネジメント)」が認められている。
▼入所施設にもケアマネがいて、施設支援のケアプランを立てる。ISP=IPPになっている

A要介護認定の決定を前提としたその枠の中でのサービスおよびマネー(給付額)の管理が大きな役割。
◆必要なサービスの費用に対する裁量権限、サービス提供事業者に対するモニター権限、社会資源の新たな開発の役割などない
▼障害者自立支援法では、障害者ケアマネジメントを前提としているため、本人の希望をきくことからはじまることになっている

B家族介護が前提の家族介護の補足的な役割を果たす介護保険の在宅サービス制度では、中軽度の人を中心に家族支援を主目的にマネジメントをすることになる。
▼障害者自立支援法での、サービス利用計画の対象者は、重度者、単身が基本前提

▼が、障害者自立支援法の位置づけ。
ただ、うすいうすい位置づけでしかないし、一体なんの意味があるのか、と思わなくもない。

 本心は、地域生活支援のための個別支援計画づくりとしたいんですけど、相談支援従事者養成研修ですから・・・。レジュメには、ソーシャルワークアプローチからの相談支援とか、アセスメント主義についてとか、地域生活支援とかも含まれていますので、興味のある方はどうぞ。


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posted by 凸凸 at 15:15| 大阪 ☀| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして
東京の生活介護事業に勤務する定年前のなぜか大学院生です。
日本福祉大の通信教育の大学院の1年です
生活介護事業の個別支援計画についての研究を行っています。
 研究の参考にダウンロードさせていただきました。
 私も同じように自立支援法では個別支援計画
、ケアマネジメントもですけど、何のために位置づけられているかわかりませんですね
 ケアマネジメントは空洞化、行政の非専門家の係員が行う、個別支援計画は契約のためのアリバイという扱いに思います。
 被本当は活用価値があるはずですが
Posted by 永沼由久 at 2010年01月28日 02:09
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